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現金クッションとは?暴落に備えるリタイア後の現金の持ち方【実測データつき】

リタイア直後の暴落で資産を安値売りすると、資産寿命は大きく縮みます。その対策の定番が、生活費の数年分を現金で持ち「暴落の年は株を売らず現金から取り崩す」現金クッション戦略です。仕組みと必要額の目安、そして実際にどれだけ効くのかを、10,000通りのシミュレーションで実測しました。

1.現金クッションとは

現金クッションとは、リスク資産(株式・投資信託)とは別に、生活費の数年分を現金・預金で確保しておき、相場が大きく下落した年はリスク資産を売らず、現金から生活費を出す戦略です。生活防衛資金が「不測の出費への備え」なのに対し、現金クッションは「暴落時の安値売りを避ける」ことに目的があります。

2.なぜ効くのか:安値売りの回避

取り崩し期に暴落が来ると、生活費のために値下がりした資産を売ることになります。安値で売った分は、その後相場が回復しても戻りません。これがシーケンスリスクの正体です。

現金クッションがあれば、暴落の年は売却を止めて現金で生活し、リスク資産を回復に乗せたまま温存できます。つまり現金は「リターンを生まない資産」ではなく、暴落時だけ働く保険として機能します。

3.【実測】効果を10,000通りで検証

当サイトのシミュレーターで実測しました。条件は、リスク資産6,000万円・取り崩し年240万円(定額)・50〜89歳の40年・想定利回りはMSCI ACWI(円建て)1988〜2024年の実績・10,000試行×2回の平均です。

戦略生存率最終資産の中央値
現金なし(リスク資産のみ)89.5%約10.8億円
現金600万円あり・戦略なし89.9%約11.2億円
現金600万円+暴落時は現金から取り崩す91.7%約12.3億円
  • 同じ600万円の現金でも、「暴落した年(リターン−10%以下)は現金から」というルールがあるだけで生存率が約2ポイント改善
  • 最終資産の中央値も増える。安値売りを避けた分、リスク資産が回復相場に乗れるため。

※生存率は試行ごとに±0.5ポイント程度ぶれます。中央値が大きいのは過去37年の世界株実績(年平均+11.5%)が高めだったことの反映で、将来を保証するものではありません。インフレ・税は考慮していません。

4.いくら持つべきか:生活費2〜3年分の根拠

定番の目安は生活費の2〜3年分です。過去の主要な弱気相場では、下落から回復までに1〜3年程度かかるケースが多かったため、その間の生活費を売却なしでまかなえる水準として使われます(上の実測の600万円は生活費2.5年分に相当)。

  • 持ちすぎの注意:現金は運用に回らないため、多すぎると機会費用がかさみ、インフレで実質価値も目減りします。
  • 少なすぎの注意:1年分未満だと、下落が2年続いた場合に結局安値売りを迫られます。

5.ツールでの設定方法

  1. 基本条件で「初期リスク資産」と「現金」を分けて入力する
  2. 詳細条件の現金戦略で「暴落した年は、株を売らずに現金から取り崩す」にチェック
  3. スライダーで「暴落」とみなす閾値(初期値 −10%)を設定する
  4. 実行して、チェックの有無で生存率がどう変わるか比較する

閾値は厳しくしすぎる(−30%など)と現金がほぼ使われず、緩すぎる(−1%など)とすぐ枯渇します。シミュレーターで−10〜−20%を試して、ご自身の条件で最も効く設定を探してみてください。

最終更新日:2026年6月10日