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モンテカルロシミュレーションとは?FIREでの使い方と4%ルール検証

FIREや老後資金のシミュレーションでよく登場する「モンテカルロ法」。難しそうな名前ですが、考え方はシンプルです。なぜ平均利回りの計算では足りず、確率で考える必要があるのかを解説します。

1.モンテカルロシミュレーションとは

モンテカルロシミュレーションとは、結果が運(確率)に左右される問題を、ランダムな試行を何千・何万回も繰り返して、結果の分布から答えを見積もる統計手法です。名前はカジノで有名なモナコの「モンテカルロ」に由来します。

資産運用に当てはめると、「毎年のリターンを過去の実績分布からランダムに選び、取り崩しながら資産推移を計算する」という1回の試行を、条件を変えずに1万回繰り返します。そして「1万回のうち何回、資産が尽きずに最後まで残ったか」を数えれば、生存率や破産確率が求められます。

1回ごとに「暴落が来る順番」や「好況・不況の並び」が変わるため、1万通りの"あり得る未来"を一気に検証できるのが特徴です。

2.なぜ平均利回りでは不十分なのか

「年平均5%で運用」と聞くと、毎年きれいに5%ずつ増えるイメージを持ちがちです。しかし実際の株価は、ある年は+30%、別の年は−40%と激しく振れます。平均が同じでも、暴落が来る順番によって結果は大きく変わります。

特に、リタイア直後に暴落が来ると、取り崩しと値下がりが重なって資産が大きく減り、その後相場が回復しても元本が足りなくなります。これをシーケンスリスクと呼びます。平均利回りの単純計算ではこのリスクを表現できないため、確率で多数のシナリオを試すモンテカルロ法が有効なのです。

3.FIREでの使い方

FIRE設計では、モンテカルロ法で次のような問いに答えられます。

  • いまの資産と取り崩し額で、資産が一生尽きない確率(生存率)はどれくらいか
  • 条件を変えると破産確率はどう動くか
  • 資産寿命は確率的にどの程度の幅を持つか

平均値の一本線ではなく、「悲観(下位10%)・標準(中央値)・楽観(上位10%)」のように幅で結果を捉えられるのが、意思決定に役立ちます。

4.過去データで4%ルールを検証する

4%ルールは米国の過去データに基づく経験則です。これを自分の条件・別の市場データで検証するのにモンテカルロ法が使えます。手順は次のとおりです。

  1. 初期資産を入力し、取り崩し額を「資産の4%」に設定する
  2. 運用期間(リタイア年齢〜想定寿命)を設定する
  3. 「▶ 実行」を押し、生存率を確認する
  4. 取り崩し率を3.5%・4.5%などに変えて、生存率がどう変わるか比較する

こうして「自分のケースでは4%で十分か、もっと保守的にすべきか」を、一般論ではなく数字で判断できます。

5.当ツールの仕組みとデータ

当サイトのFIREシミュレーターは、デフォルトで過去37年(1988〜2024年)のMSCI ACWI(全世界株・円建て)の年次リターン実績を使用します。この37年分のリターンを並べ替え・抽出して将来シナリオを生成し、10,000通りの試行から生存率・破産確率・資産寿命を算出します。想定利回り(年利データ)は画面上で1年ごとに自由に編集でき、S&P500など別の前提や、自分の想定利回りでの検証も可能です。

過去37年には、ITバブル崩壊(2000〜2002年)、リーマンショック(2008年 −52.9%)、コロナ後の上昇など、大きな暴落と回復の両方が含まれています。これにより、現実に起こり得る相場の振れ幅を踏まえたシミュレーションができます。

まずは一度、ご自身の条件でシミュレーターを回してみてください。平均利回りの計算では見えなかった「暴落の順序」の影響が、確率としてはっきり見えてきます。

最終更新日:2026年6月10日