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FIREの失敗確率とは?破産リスクを数字で知る方法と下げ方

「4%ルールなら大丈夫」と言われても、本当に自分のケースで資産が尽きないのかは不安なものです。そこで役立つのが「破産確率」という考え方です。平均値ではなく"確率"でリスクを捉える方法を整理します。

1.破産確率とは

FIREにおける破産確率とは、「リタイア後の一定期間(たとえば30〜40年)のあいだに、資産を取り崩しきって残高がゼロになってしまう確率」のことです。同じ資産・同じ取り崩し額でも、相場の動き方しだいで「資産が尽きる未来」と「尽きない未来」の両方があり得ます。その"尽きてしまう側"がどれくらいの割合かを示すのが破産確率です。

例:10,000通りの将来シナリオを試算して、そのうち600通りで資産が尽きた場合、破産確率は 600 ÷ 10,000 = 6% となります。

2.生存率との関係

破産確率と表裏一体なのが生存率です。生存率は「期間の最後まで資産が残った(破産しなかった)シナリオの割合」で、次の関係になります。

破産確率 = 100% − 生存率
生存率94% なら 破産確率は6%

一般的には生存率95%以上(破産確率5%以下)が、ひとつの安全圏の目安とされます。両者の詳しい読み方はFIREシミュレーション結果の見方でも解説しています。

3.平均利回りだけで考える危険性

「年平均5%で回るから大丈夫」といった平均値だけの計算は危険です。理由は、株式市場のリターンが毎年大きく振れるためです。同じ「平均5%」でも、暴落がリタイア直後に来るか、終盤に来るかで結果はまったく変わります。

リタイア直後の暴落で資産を大きく減らすと、その後に相場が回復しても元本が足りず、取り崩しに耐えられなくなります。これをシーケンスリスク(収益率配列リスク)と呼びます。平均利回りの単純計算ではこのリスクを捉えられないため、確率で考える必要があるのです。

4.モンテカルロ法で破産確率を試算する

破産確率を求める代表的な方法がモンテカルロシミュレーションです。過去の年次リターンの分布をもとに、暴落の順序が異なる将来シナリオを何千・何万通りも生成し、「資産が尽きた割合」を数えます。

当サイトのFIREシミュレーターでは、過去37年(1988〜2024年)のMSCI ACWI(全世界株・円建て)の年次リターン実績、または自由設定の年利をもとに、10,000通りの将来シナリオを生成して破産確率・生存率を算出します。手順はかんたんです。

  1. 初期資産・取り崩し額・運用期間を入力する
  2. 「▶ 実行」を押す
  3. 結果のKPIに表示される「生存率」「破産」の回数を確認する
  4. 取り崩し額や債券比率を変えて、破産確率がどう変わるか比較する

5.破産確率を下げる5つの方法

  • 取り崩し率を下げる:年4%より3.5%など保守的にするほど破産確率は下がります。
  • 現金クッションを持つ:暴落時は現金から取り崩し、株を売らずに回復を待つ。
  • 定率取り崩しを使う:資産が減った年は取り崩し額も自動的に減らす(取り崩し戦略を参照)。
  • 労働収入を一部残すサイドFIREで取り崩し開始を遅らせる・額を抑える。
  • 必要資産に余裕を持つ:税金・社会保険料を含めた必要額を厚めに見積もる。

破産確率は「自分の条件」で初めて意味を持ちます。一般論の4%ルールではなく、ご自身の資産・取り崩し額・運用期間でシミュレーターを回し、納得できる確率まで条件を調整してみてください。数字以外も含めたよくある失敗の全体像はFIREの失敗パターン7選と対策にまとめています。

最終更新日:2026年6月10日